30 3月 2010

従来の施設では バッキ槽(好気域)

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従来の施設では バッキ槽(好気域)
通常の活性汚泥法では,有機化合物の分解を好気域であるバッキ槽内に生息する微生物及びバクテリアのみに受け持たせている。 エアレーションのために異常に増殖した微生物の生存競争による淘汰のために自然界の微生物群、バクテリア群とは異なった歪んだ生態系が構成されている。エアレーションという操作は,有用微生物のみを活性化するという選択性ならびに雑菌,腐敗菌を不活性化するという選択性を全く有していない。 したがって,有用微生物も雑菌,腐敗菌も非選択的に活性化してしまう。 むしろある種の有用微生物,バクテリアは生存競争のために淘汰される(歪んだ生態系の形成) . そのため,エネルギー投入の割に有機物の分解は十分でない上,微生物の死骸が汚泥になる。 溶存酸素濃度が高い環境となっているので,バッキのためのエネルギー投入が大きく,所要電力が大きい。 好気的環境であるため脱窒菌が不活性でそのため,硝酸イオンが分解できない。沈殿槽(嫌気域) 好気域のバッキ槽から移送される液中には未分解の有機物,微生物の死骸など通常汚泥と言われる物質が混入している。 固形物の沈殿により堆積汚泥層が下層に形成される。 有用微生物群、バクテリア群の生息域が不十分で,低活性の環境にある。有用微生物群,バクテリア群不活性。 好気域、嫌気域の各槽で健全な微生物群、バクテリア群の活性化が起き難い環境になっている。
従来の施設内にWaterkeeper(WK)を添加すると バッキ槽 エアレーションの軽減,短縮で起きる効果(WK添加の波及効果)有用微生物群,バクテリアの活性向上 → 酸素消費増大 有機化合物分解促進 → 硝酸イオン,硫酸イオン,リン酸イオン生成促進硫黄酸化菌の活性化 → 硫化水素消費促進 硝化菌の活性化 → 有機化合物分解促進,アンモニア消費促進 硝酸イオン生成促進 リン同化菌の活性化 → リン酸イオン消費促進 雑菌、腐敗菌の活性低下 → 酸素消費低下 溶存酸素0に近い領域(バッキ槽中のMLSSの中,表面)への効果脱窒菌の活性向上 → 硝酸イオンの消費促進,窒素ガスの生成促進 エアレーションの軽減,短縮 → 消費電力の削減。 省エネの実現。沈殿槽(嫌気域) 嫌気域でも有機物部分分解が機能するので,好気域の有機物分解を軽減できる。 → エアレーションの軽減,短縮(上記) WK添加後の波及効果有用微生物群,バクテリアの活性向上 → 酸素消費なし 有機物部分分解バクテリアの活性向上 → 有機物部分分解促進 二酸化炭素,メタン,アンモニア,硫化水素生成促進光合成細菌の活性向上 緑色および紅色イオウ細菌の活性向上 → 硫化水素の消費促進 紅色非イオウ細菌の活性向上 → 有機物消費促進沈殿槽下層部の堆積汚泥 有用微生物、バクテリアの活性向上 → 酸素消費なし 嫌気性有機物部分分解バクテリアの活性向上 → 有機物部分分解促進 二酸化炭素,メタン,アンモニア,硫化水素生成促進 活性汚泥法による排水処理施設へのWaterkeeper添加に伴う省エネルギー効果

日本富山大学工学部物質生命系工学科
工学博士 熊沢 英博教授